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ちょっとマニアックで詳しすぎる婚姻届の書き方

​登場人物

渡邊太郎

コピー機メンテナンス業者に勤めるサラリーマン3年目の21歳。

高校ではサッカー部のキャプテンで、マネージャの花子とは交際3年目。

調べ物はもっぱらネットの現代っ子。田舎育ちで、素朴な優しい青年。

高田花子

ホテルに努める受付1年目の19歳。

結婚するまでは手も繋がないという強い信念を貫いている。

頭の中はいつもお花畑が咲いている、夢見る少女。

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婚姻届の書き方(筆頭者、父母の氏名欄、続き柄、婚姻後の夫婦の氏、婚姻後の新しい本籍欄)

【第11話 筆頭者とは?】

 

花子「本籍欄を書き終わったわりました。」

太郎「それにしても、筆頭者て誰がなるんだろうね?」

花子「そうね。私の場合、お父さんだし・・・」

太郎「僕の場合は母さんになってるな。」

花子「世帯主というわけでもないみたいね。」

太郎「調べてみるね。(携帯で調べる)」

太郎「ネットで調べたら、筆頭者って、その戸籍の一番最初に書かれている人なんだって。」

花子「そうなんだ。でも、一番最初って誰がなるんだろうね。」

太郎「僕らは今、両親の戸籍に入ってるけど、婚姻するとそこから抜けるらしい。」

太郎「そして、新しい夫婦の戸籍が作られるんだって。」(※)

花子「へー、そうなんだ。」

花子「私は結婚して、太郎さんの家族の戸籍に入るんだと思ってた。」

太郎「僕もそう思ってた。」

太郎「それで、そのとき、婚姻後に名乗る苗字を選択した人が筆頭者になるんだって。」

花子「うーん、つまりどういうこと?」

太郎「結婚すると、僕たちどちらかの苗字が変わるよね。」

花子「うん。私の苗字が変わるね。」

太郎「婚姻届で、どちらか一方の苗字を選ぶことになるよね。」

花子「うん。うん。私達は太郎さんの苗字ね。」

太郎「その選んだ苗字の人が筆頭者になるらしいよ。」

花子「なるほど。じゃあ、太郎さんが筆頭者になるのね。」

太郎「そういうことになるね。」

花子「でも、太郎さんのお母さんが筆頭者なのは何か理由があるのかな?」

花子「やっぱり、結婚してお母さんの苗字は変わらなかったの?」

太郎「確かに、父さんの苗字が変わったって聞いてるよ。」

花子「筆頭者って家族で一番えらい人がなるイメージだけど、実際はそうじゃないのね。」

太郎「そうだね、単純に選んだ苗字の人が筆頭者になるって事なんだね。」

 

※ちなみに、苗字が変わらない人が既に戸籍の筆頭者になっている場合は、新しい戸籍は作られません。

【第12話 父母の氏名欄を書こう】

 

花子「次は父母の氏名欄ですね。」

太郎「ネット情報では、父はフルネームで書くんだって。」

太郎「母は、父と婚姻している場合は氏、つまり苗字を書かずに名だけ書くみたい。」

太郎「父母が離婚している場合は、両方フルネームで書くらしい。」

花子「あれ?父母が離婚した場合、苗字が変わる場合もあるよね?」

花子「その場合、離婚前、離婚後、どっちの苗字を書くの?」

太郎「その場合は離婚後の苗字を書くらしいよ。」

花子「あと、再婚している場合もあるよね。」

太郎「現在名乗っている苗字を書くらしいよ。」

花子「私の場合、実のお母さんは小さいころに亡くなってるけど、苗字も書くの?」

太郎「そうだったね。」

太郎「調べたら、死別した母も苗字を書くらしいよ。」

太郎「亡くなったお母さんのこと、思い出しちゃった?」

花子「うん。でも、お父さんと再婚したお母さんも優しくて大好きだよ。」

花子「私は母の欄はどうやって書くのかな。」

太郎「戸籍にはどう書かれてる?」

花子「戸籍には【父】、【母】、のほかに【養母】も書かれてるわ。」

太郎「婚姻届の父母欄には実父母を、その他に養母を描くらしいね。」

 

父母の氏名欄は、実の父母の氏名を書きます。(※1)

亡くなっている場合でも必ず書く必要があります。

父はフルネームで書きます。

母は父と婚姻している場合は氏、つまり苗字は書かずに名だけ書きます。

父母が離婚している場合は、母もフルネーム(現在の苗字)で書きます。

離婚後交流がなく、現在の苗字がわからない場合でも、わかる範囲で記入します。

養子の場合は「その他欄」に「夫(または妻)の養父(または母) ○○○○」とフルネームで書きます。

※1 多少の字体の違いでも同じ字と判断されれば受理されるようですが、修正される場合があります。

 

【第13話 続き柄って何?】

太郎「続柄って読み方わかる?」

花子「【つづきがら】でしょ。【ぞくがら】でも良いって聞いたことあるけど。」

太郎「正しくは【つづきがら】って読むよ。」

花子「続き柄って何なの?」

太郎「親族との血縁関係を表す言葉らしいよ。長男とか長女とか。」

花子「へぇ〜そうなんだ。」

花子「太郎さんは次男だったよね。」

太郎「そうだよ。戸籍にもほら「次男」って・・・・えっ、「二男」?」

花子「「次男」じゃなくて「二男」なんだね」

太郎「文字にしないと、何言ってるかわからないね(笑)」

花子「わたしは「長女」って書いていいのかな?」

太郎「「長男」「長女」はそのまま書くらしいよ。」

太郎「「次男」「次女」は「二男」「二女」で書くらしいよ。」

 

続き柄は戸籍謄本に記載されているとおり書きます。

「長男」「長女」はそのまま書くようにしましょう。

「次男」「次女」は「二男」「二女」と書くようにしましょう。(※)

※ 「次男(女)」と書いても受理されるようですが、修正される場合があります。

【第14話 重要!婚姻後の夫婦の氏の書き方!】

 

太郎「さて、次は婚姻後の夫婦の氏欄だね。」

花子「ここは重要ですね。」

太郎「苗字が変わるわけだからね。」

太郎「一応確認だけど、花子は苗字が渡邊になるということで良いんだよね?」

花子「はい。」

花子「「私、結婚して苗字が変わりました。」っていうのに憧れてた。」

太郎「海外では夫婦別姓もあるんだよね。」

花子「確かに、苗字が変わるといろいろ手続きが大変そうだし、わかる気もする。」

太郎「お嫁さんや婿養子に行って、苗字が変わるってイメージも、まだ根強いもんね。」

花子「そうね。でも、いろいろ調べてみると、そんな事じゃないみたいね。」

太郎「うん、同じ戸籍に入ったら、筆頭者の氏になるってことなんだね。」

 

婚姻後の夫婦の氏を決める欄です。

婚姻後、チェックした方(夫か妻)の苗字を、これから名乗ることになります。

どちらを選んだか、分かるようにチェック欄に印をつけましましょう。

婚姻届けを出すと夫婦ふたりだけの新しい戸籍が作られます。(※)

ふたりのうち、苗字が変わらない方(チェックした方)が戸籍の筆頭者となります。

チェックしなかった方は筆頭者の配偶者として戸籍に記載されます。

婚姻届が受理されると、変更することはできないので、選ぶ氏は慎重に決めるようにしましょう。

※苗字が変わらない人が既に戸籍の筆頭者になっている場合は、新しい戸籍は作られません。

【第15話 重要!婚姻後の新しい本籍欄の書き方!】

 

太郎「次は婚姻後の新しい本籍欄だね。」

花子「そもそも本籍って何なの?」

太郎「「戸籍に記載される人が任意に定める日本国内いずれかの番地が存在する土地のこと。」らしい」

花子「もっと分かりやすく、説明して!」

太郎「戸籍って、それぞれ本籍のある市町村に保管されているよね。」

花子「そうね。太郎さんの戸籍は、ここの市町村で取れなかったものね。」

太郎「その本籍って、僕らの両親が届け出したものなんだって。」

花子「そうか、私たちも結婚すると新しい戸籍が作られるもんね。」

太郎「でも、新しい本籍を架空のものにしたら、管理できなくなるよね。」

花子「なるほど、だから、日本のいずれかの番地が存在する土地を本籍としてるのね。」

太郎「昔は戸籍に住民票の役割もあったらしいし、その名残なのかもしれないね。」

花子「そうかもしれないね。」

太郎「さて、それじゃ、僕たちの本籍だけど、どうしようか。」

花子「存在する土地ってどうやって調べるのかな。」

太郎「現住所は、存在してるから、たぶん良いってことだよね。」

花子「それに、両親の本籍でも良いってことになるのかな。」

太郎「その土地が存在しているか、詳しくは窓口で相談できるみたいだね。」

 

ふたりの新しい本籍の所在する市町村で、ふたりの新しい戸籍が作られます。

本籍は日本国内の番地が存在することころであれば、自由に記入することができます。

必ずしも住所と新しい本籍を一致させる必要はありません。

ちなみに、最も多い本籍は「東京都千代田区千代田1番」で皇居の地番だそうです。

 

その他、新しい本籍の記入には以下のルールがありますのでご注意ください。

㈰夫婦は同一戸籍に入るので、本籍も同じになります。

㈪本籍は地番までになるので、アパート・マンション名や部屋番号は記入できません。

㈫「○番○号」などの街区符号の場合は「○番」までしか記入できません。

 

【苗字が変わらない人が既に戸籍の筆頭者になっている場合】

分析や離婚などで、すでに戸籍の筆頭者になっている場合があります。

戸籍の筆頭者となっている人の苗字を名乗る婚姻をする場合、新しい戸籍は作られません。

この場合は、その戸籍に苗字が変わる配偶者が入籍してくることになります。

そのため、婚姻届には「婚姻後の新しい本籍欄」を記入する必要はありません。

 

【新しい戸籍を取るには】

新しい戸籍が出来るまで、市区町村によっては2週間程度かかる場合があります。

また、戸籍謄本は、本籍地がある市区町村でしかとることができません。

そのため、本籍地が遠方にあると、郵送等で取り寄せなければならなくなる場合があります。

 

【本籍を変えるには】

引っ越しをしても、自動的に本籍が変わるわけではありません。

また、住所と本籍を必ず一致させておく必要もありません。

もし、住所と本籍を一緒にしたいという場合は、転籍という手続きで変えることができます。

詳しくは、お住いの市区町村にお問い合わせください。

 

次回、「第16話 同居を始めたとき欄の書き方」

婚姻届の書き方(同居をはじめたとき欄、初婚・再婚の別欄、同居を始める前の夫妻のそれぞれの世帯の主な仕事と夫妻の職業欄、その他欄、届出人欄の署名と押印)

婚姻届の書き方(連絡先、証人、捨印)、婚姻届の提出日、提出の仕方や持ち物、エピローグ

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