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ちょっとマニアックで詳しすぎる婚姻届の書き方

​登場人物

渡邊太郎

コピー機メンテナンス業者に勤めるサラリーマン3年目の21歳。

高校ではサッカー部のキャプテンで、マネージャの花子とは交際3年目。

調べ物はもっぱらネットの現代っ子。田舎育ちで、素朴な優しい青年。

高田花子

ホテルに努める受付1年目の19歳。

結婚するまでは手も繋がないという強い信念を貫いている。

頭の中はいつもお花畑が咲いている、夢見る少女。

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婚姻届の書き方(連絡先、証人、捨印)、婚姻届の提出日、提出の仕方や持ち物、エピローグ

【第21話 連絡先は忘れずに書こう!】

花子「これで私たちの記入する場所は書き終えたわね。」

太郎「連絡先も書いておかないとね。」

花子「連絡先を書くところがない婚姻届もあるみたいだけど、何のために連絡先を書くの?」

太郎「婚姻届に不備があった場合とかに連絡がもらえるんだって。」

花子「もし、不備があったらどうなるの。」

太郎「もう一度窓口に行って、修正したりするらしいよ。」

花子「へぇ〜修正できるんだ。」

太郎「受理される前なら、軽微な修正ができるらしいよ。」

花子「え?提出すれば受理されるんじゃないんだ。」

太郎「窓口では婚姻届を受領するだけで、実際は審査してから受理されるらしいよ。」

花子「じゃあ、届出したからって、まだ安心できないんだね。」

太郎「まあ、ほとんどの場合は受理されるみたいだけどね。」

太郎「重大な誤りがある場合は不受理になる可能性もあるから、連絡先は必ず書こうね。」

 

婚姻届に不備があった場合、窓口から問い合わせが入る場合があります。

問い合わせは、内容の確認や、軽微な修正である場合は受理・不受理には影響しません。

ただし、重大な誤りがある場合、不受理になる可能性もあるので、連絡先は必ず書きましょう。

自宅の電話番号のほかに、日中連絡の取れる電話番号も記入しておくと安心です。

【第22話 お父さん証人になってください!】

 

花子「次に、証人欄だけど、私たちの両親に頼もうね。」

太郎「・・・・・」

花子「どうしたの?」

太郎「いや、お父さんに、結婚はまだ早いって言われるんじゃないかな?」

花子「え?ここにきて、何ビビってんの?」

太郎「いや、さすがに、いきなり婚姻届を出のは非常識かな・・・って思って。」

花子「大丈夫、さっき電話で報告したから。」

太郎「えっ?」

花子「今すぐ連れて来い!って言ってた。」

太郎「ええぇぇ!」

 

(花子の実家)

太郎「お父さん、花子さんと結婚させてください。」

花子の父「太郎くん、花子はまだ19歳だ。結婚はまだ早いとは思わんかね?」

太郎「はい、そうですよねぇ・・・もうちょっと準備してから・・・」

花子「ちょっと!お父さん、私たちはもう大人よ。」

花子の父「そうだよねぇ。花ちゃんはもう19歳だもんね。」

太郎「それじゃ、結婚を認めてくれるんですか?」

花子の父「それとこれとは話が違うだろ。これからの生活はどうするんだ。」

太郎「はい、そうですよねぇ・・・もっと経済的に自立してから・・・」

花子「二人で頑張って働けば、きっとやっていけるよ。」

花子の父「そうだねぇ。花ちゃんがそう言うなら、お父さん応援しようかな。」

太郎「それなら・・・」

花子「ちょっと、太郎さんは黙ってて!」

花子「それじゃ、お父さん証人になってくれるってことで良い?」

花子の父「う〜ん・・・・」

花子「お父さん。お願い!」

花子の父「わかった。二人の思いを尊重しようじゃないか。」

太郎「お父さん、ありがとうございます。」

花子の父「太郎くん。花子をよろしく頼んだよ!」

太郎「はい!」

 

婚姻届には成人2人の証人が必要となります。

証人は夫妻の両親である必要はなく、成人であれば兄弟や友達でも証人になることができます。

証人には氏名・生年月日・住所・本籍を自筆で記入・押印してもらいます。

書き方はこれまで説明してきた婚姻届の書き方と一緒です。

【第23話 捨印って押す?押さない?】

 

花子「私達のお父さん達に証人欄書いてもらったし、あとは提出するだけね。」

太郎「そういえば、捨印って押したほうがいいのかな?」

花子「もともと捨印の欄がある婚姻届もあるみたいだけど、この用紙には無いのね。」

太郎「捨印って、誤りが見つかったときの訂正に利用するものなんだって。」

花子「必ず押さなければならないの?」

太郎「「必ず」ってことではないらしいよ。」

太郎「でも、押しておけば軽微な誤りを役所が訂正してくれるらしいね。」

花子「私は心配だから、押してもいい?」

太郎「そうだね。僕たちは押して提出しようか。」

 

捨印は、誤りを訂正する訂正印の代わりに、あらかじめ書類の欄外に押しておくものです。

捨印を押しておけば、軽微な誤りなら役所で訂正してくれる場合があります。

捨印を押す欄が設けられていない場合は、欄外の何も書いていないスペースに押しましょう。

また、印の上に捨印と書くなど、それが捨印だと分かるようにしておくと良いようです。

【第24話 婚姻届けいつ出す?】

太郎「これで婚姻届は書き終えたね。」

花子「私たちはこれから提出しに行くんだけど・・・」

花子「ほかの人は婚姻届を出す日ってどうやって決めてるのかしら?」

太郎「プロポーズ日、結婚式を挙げた日、誕生日、大安とか人それぞれみたいだね。」

花子「私たちは、プロポーズの日と誕生日と一緒になるね。」

花子「でも、これって何か記録に残るの?」

太郎「戸籍に【婚姻日】として記録されるらしいよ。」

 

婚姻届けを提出する日は人それぞれです。

付き合い始めた日、プロポーズ日、結婚式、誕生日、大安やぞろ目の日などが多いようです。

もちろん、特に何もない日に出す人もいます。

提出日は、ふたりで、又はご家族で話し合って決めることになると思います。

婚姻日は今後二人の特別な日になりますので、覚えやすい日を選ぶ人も多いようです。

婚姻届を提出する日は慎重に話し合いましょう。

 

【婚姻日】

婚姻届を市区町村の窓口に届け出した日(受理された日)が【婚姻日】となります。

戸籍には届出した日が【婚姻日】として記載されます。

その日が【婚姻日】になるので、未来日にしてもらったり、遡ったりすることはできません。

また、書類に不備があって、その日に受理されない場合もあります。

確実に受理してほしい場合は、事前に市町村の窓口で相談したほうが良いでしょう。

【第25話 婚姻届、持っていくものはOK?】

 

太郎「さて、これから市役所に行きますよ。」

花子「どうしよう。緊張してきた。」

太郎「窓口は閉まっているけど、ここの市役所は宿直さんが受け取ってくれるらしいね。」

花子「本当は窓口が開いてるときに出した方が良かったのかな?」

太郎「そうだね。窓口で事前にチェックしてもらったら安心できたかもね。」

花子「ごめんね。私のわがままで・・・・」

太郎「ううん。大丈夫だよ。」

花子「婚姻届と戸籍全部事項証明書は持ったし。」

花子「あっ、太郎さんの戸籍全部事項証明書は後で提出することを伝えないとね。」

太郎「そうだね。あと、身分証明書も必要らしいけど持ってきた?」

花子「私、免許証もパスポートも無いから、マイナンバーカード持ってきた。」

太郎「マイナンバーカードでも大丈夫みたいだね。」

花子「これで準備オッケーだっけ?」

太郎「念のため印鑑も持っていこう。」

 

婚姻届は、婚姻するふたりで届け出したいものですよね。

もしふたりの都合が合わず、ひとりだけで届け出したとしても、受理してもらうことができます。

なお、届け出するときは、運転免許証やパスポートなどの身分証明書を持参するようにしましょう。

身分証明証を持参しなくても届け出できますが、書類の修正ができない場合があります。

また、印鑑も持参すると、その場で訂正できるので、念のために持参したほうが良いでしょう。

 

ひとりで届け出する場合や身分証明書がない場合は、事前に婚姻届を確認してもらうと安心です。

詳しくは、届け出する市区町村にお問い合わせください。

 

また、どうしてもどちらも提出できない場合は代理人に提出してもらうこともできます。

詳しくは、届け出する市区町村にお問い合わせください。

【エピローグ 私たち夫婦になりました】

太郎「結構すんなり受け取ってもらえたね。」

花子「そうだね、よかった。」

太郎「でも、夜間は窓口が開いてないから、審査は後日になるって言ってたね。」

花子「ちゃんと受理されるかな。」

太郎「平日以外の窓口に届け出すると、受理されたら、通知が来るらしいよ。」

花子「待ち遠しいね。」

太郎「今後、苗字が変わった後の手続きがあるって言われたけど、大丈夫?」

花子「変えなきゃいけないものが多くて、ヤバい。大変だぁ。」

花子「でも、頑張って手続きするしかないね。」

太郎「そうだね。」

花子「笑顔があふれる家庭を作っていこうね。」

太郎「はい。末永くよろしくお願いいたします。」

 

婚姻などの届出は,窓口に来た人の本人確認を必ず行うことになっています。

身分証明書等がなく、本人であること証明ができない場合でも、届け出は可能です。

この場合や、休日や夜間の届出で職員が本人確認できない場合は、

市区町村から届出人本人に受理されたことが通知されることになります。(※1)

※1

下で説明する【婚姻届受理証明書】とは違います。

よく間違うことが多いようですが、他の手続きには使うことはできません。

 

【新しい戸籍ができるまで】

婚姻の届け出をしてから、ふたりの戸籍が出来るまで、1〜2週間程度かかります。

 

【婚姻届受理証明書】

婚姻届受理証明書は婚姻届が受理されたことを証明する書類です。

これは、婚姻届が受理された後に、届出した市区町村窓口で請求するともらえます。

※証明手数料として料金がかかります。

苗字の変更手続きなど、新しい戸籍ができるまで代用できる場合があります。

 

【記念用婚姻届受理証明書】

賞状タイプの婚姻届受理証明書です。

夫婦になった記念として、残しておくためのものです。

 

市区町村によってはご当地デザインのオリジナルを用意している場合もあります。

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