ちょっとマニアックで詳しすぎる婚姻届の書き方
登場人物
渡邊太郎
コピー機メンテナンス業者に勤めるサラリーマン3年目の21歳。
高校ではサッカー部のキャプテンで、マネージャの花子とは交際3年目。
調べ物はもっぱらネットの現代っ子。田舎育ちで、素朴な優しい青年。
高田花子
ホテルに努める受付1年目の19歳。
結婚するまでは手も繋がないという強い信念を貫いている。
頭の中はいつもお花畑が咲いている、夢見る少女。
婚姻届の書き方(長殿、氏名欄、生年月日、住所欄、本籍欄)
【第6話 届出日と「長殿」とは?】
太郎「それでは、婚姻届を書いていきます。」
花子「ドキドキしますね。」
太郎「最初に、届け出日になりますが、・・・」
太郎「これは、今日でいいよね?」
花子「ちょっと待って!」
花子「これって、今日出せなければどうなるの?」
太郎「確かに。その場合、日付を直さなければならないな。」
太郎「ここは提出する直前、最後に書くとして、空欄にしておくか。」
花子「長殿って?ここは?」
太郎「提出する市町村名を書くらしいよ。」
→
届け出日は、実際に提出する日と一致しなければなりません。
同じく宛先も、実際に提出する市区町村と一致しなければなりません。
どちらも届け出する直前でも良いので、職員の指示に従って記入するようにしましょう。
【第7話 氏名の欄の正しい書き方】
花子「次は氏名欄ですね。」
太郎「氏は苗字、名は名前のことだよ。」
花子「さすがにそれは知ってるし(笑)」
花子「わたしの苗字のよみかたは「たかだ」だけど、お父さんは「たかた」って言ってたような・・・」
太郎「よみかたについては、普段使っているよみかたでいいらしいよ。」
花子「太郎さんの名字は、難しい「渡邊」だけど、簡単な「渡辺」で書いてもいいの?」
太郎「それは、戸籍に記載された氏名を正確に書かなければならないんだって。」
花子「あと、結婚したら渡邊になるけど、高田と渡邊どっちで書けばいいの?」
太郎「婚姻前の苗字、つまり旧姓で書くらしいよ。」
→
氏名欄は戸籍に記載された「氏」と「名」を正確に書かなければなりません。(※)
苗字が変わる方の氏も婚姻前の氏(旧姓)で書きます。
また、市町村のシステムに登録された氏名のよみかたが、思っていたのと多少異なる場合があります。
氏名のよみかたは証明書等には記載されない市区町村が多く、単純に確認でません。
これは、氏名のよみかたが市町村のシステムでの単なる検索項目でしかないです。
確認が容易ではないため、普段の氏名のよみかたを記入するしかありません。
もし、氏名のよみかたを知りたい場合は、マイナンバーカード交付申請書に記載されています。
そのほか、年金手帳でも確認できる場合がります。
※ 多少の字体の違いでも同じ字と判断されれば受理されるようですが、修正される場合があります。
【第8話 生年月日は和暦、西暦、どちらで書く?】
太郎「次は生年月日ですね。」
花子「ここって西暦で書くの?」
花子「それとも和暦?」
太郎「外国籍の人は西暦で、日本国籍の人は和暦で書くんだって。」
花子「私たちは日本国籍だから、和暦ね。」
花子「えっと、私たちは平成生まれだけど、「H」でもいいのかな?」
花子「ヤバい!私、平成何年生まれだっけ?」
花子「それに、「一月」、「1月」どっちでけばいいのかな?」
太郎「和暦は略さず、数字は算用数字で書くらしいよ。」
→
日本国籍の場合の生年月日は和暦で書かなければなりません。(※1)
和暦といっても「H・平」などではなく、必ず「平成」と省略せずに記入しなければなりません。(※2)
「令和」、「昭和」、「大正」なども同様で、省略せずに記入しなければなりません。。
また、記入する数字は、基本的には「算用数字」で書きます。(※3)
生まれた年の和暦が分からない方は、住民票、戸籍謄本、運転免許証などで確認することができます。
※1 西暦でも和暦でも受理されるようですが、修正される場合があります。
※2 省略した和暦でも受理されるようですが、修正される場合があります。
※3 算用数字、漢数字どちらでも受理されるようですが、修正される場合があります。
【第9話 住所欄を書こう】
花子「次は住所欄ですね。」
太郎「それでは書いていきましょう。」
花子「えーっと○○市○○町1丁目・・・」
花子「ちょっと待って、番地、番どっち書くの?」
太郎「住所によって土地の地番と街区符号っていうのがあるんだって。」
太郎「どちらであっても、住民票のとおり書けばいいらしいよ。」
太郎「世帯主の氏名も住民票のとおり書くんだって。」
花子「あれ?アパート名を書く欄がないけど、どこに書くの?」
太郎「そこは、市役所によって取り扱いが違うらしいね。」
太郎「アパート名を書く欄がある婚姻届の場合は、その欄に書くらしいけど・・・」
太郎「アパート名を書く欄がない場合は、住所欄の空いてるスペースに書くらしいよ。」
太郎「どうしても書ききれない場合は、窓口に相談たほうがいいね。」
→
住所欄は、住民票に記載されている住所を省略せずにそのまま書きます。(※1)
番地などの数字も、基本的には住民票のとおり書きます。(※2)
同居していて、夫婦の住所が同じ場合、妻の住所欄は「夫に同じ」と書くこともできます。
世帯主の氏名も住民票に記載されている世帯主名をそのまま書きます。
※1 同住所と判断されれば受理されるようですが、修正される場合があります。
※2 算用数字、漢数字どちらでも受理はされるようですが、修正される場合があります。
【婚姻によって住所や世帯主が変わる場合】
※婚姻によって住所や世帯主が変わる場合は、別に住所異動の手続きが必要になります。
(婚姻届を出しても住所が変わるわけではないので、注意しましょう。)
※平日の窓口で婚姻届と住所異動を同時にする場合は、変更後の住所と世帯主を記入しましょう。
※もし休日・夜間窓口に婚姻届けを出す場合は、住所異動の手続きが後日になる場合があります。
この場合は、変更前の元の住所と世帯主名を記入しましょう。
【住所の地番】
住所には「土地の地番」と、建物に順序を付けて番号をふった「街区符号」というのがあります。
「土地の地番」は「○番地○」、「街区符号」は「○番○号」と住民票に記載されています。
婚姻届での地番の書き方は以下のとおりです。
㈰「○番地○」の場合は、番号を書いて、下の「番」と右の「号」を一本線で消す。
(「番地」を丸で囲い、右の「号」を一本線で消すしてもOK。)
㈪「○番○号」の場合は、番号を書いて、上の「番地」を一本線で消す。
(「番」を丸で囲ってもOK。)
アパート名は住所欄の空きスペースに書くか、その他欄や欄外に書く場合があります。
この場合、市町村によって取り扱いが違いますので、事前に確認した方が良いと思います。
【第10話 本籍欄を書こう】
太郎「次は本籍欄ですね。」
花子「ここは、戸籍謄本の本籍と筆頭者を書けばよろしいのですね。」
太郎「僕は戸籍謄本が手元に無いので、住民票のとおり書くよ。」
花子「番地と番の違いも、住所欄の書き方で教えてもらったとおり書くのね。」
太郎「間違って住所を書かないように注意してね。」
花子「似てる場合もありそうだから、間違う人もいそうだよね。」
太郎「ちなみに、戸籍の本籍には、アパート名は記載されないらしいよ。」
花子「へー、そうなんだ。」
→
本籍欄は戸籍謄本(または住民票)に記載されている本籍を省略せずにそのまま書きます。(※1)
筆頭者の氏名も戸籍謄本(または住民票)に記載されている筆頭者名をそのまま書きます。(※2)
番地などの数字も、基本的には戸籍謄本(または住民票)のとおり書きます。(※3)
※1 同本籍と判断されれば受理されるようですが、修正される場合があります。
※2 多少の字体の違いでも同じ字と判断されれば受理されるようですが、修正される場合があります。
※3 算用数字、漢数字どちらでも受理はされるようですが、修正される場合があります。
【本籍の地番】
本籍も「土地の地番」と、建物に順序を付けて番号をふった「街区符号」というのがあります。
「土地の地番」は「○番地○」、「街区符号」は「○番」となります。
(住所と違って「号」はありません。)
婚姻届での番地の書き方は以下のとおりです。
㈰「○番地○」の場合は、番号を書いて、下の「番」を一本線で消す。
(「番地」を丸で囲ってもOK。
㈪「○番」の場合は、番号を書いて、上の「番地」を一本線で消す。
(番号を書いて、「番」を丸で囲ってもOK。)
次回、「第11話 筆頭者って?」